今朝、バイデン大統領が米大統領選から撤退を発表するニュースが流れた。
「ついに」と思った。
別にここでどちらか一方の陣営に肩入れして、何かを主張しようと思っているわけではない。
ただ、昨日放送されたNHKスペシャルを見て、アメリカの今後のゆくえが気になっている。
メディア報道の受け取り方はいろいろあると思う。
ここでは、あくまで個人の独断と偏見に基づいて、印象に残ったことを書き残しておく。
- 若者の政治への関心が(日本と比べて)高そうに見えた
- トランプ候補の義理の娘が応援演説し、それに熱狂する若者がいた
- 政策議論をしながら、自己の考えを主張していた
- 異なる候補者を応援しているカップルが描かれていた
- トランプ候補のメディア戦略が上手に見えた
- Public SquareというECサイトでなぜ買い物をするのか、理由が描かれていた
- 信念を主張する自由は認めるが、理念を押し付けられるのはイヤ
- 押しつけがましい店では物を買いたくない
- Public Squareがその不満を解消
- 独自SNSを作り、情報発信している模様が描かれていた
- Public SquareというECサイトでなぜ買い物をするのか、理由が描かれていた
- 分断の構図が露わになっていた
- 候補者同士の討論会での露骨なやりとり
- 相手への敬意や理解しようとする心が感じられない言葉の応酬
- 支援者同士も激しいぶつかり合い
- 候補者同士の討論会での露骨なやりとり
最後の「分断の構図」が一番気がかりなところ。
ここでの自分の問いは、
- 両陣営をつなぐことのできる思想を持ったリーダー、指導者は現れないのだろうか?
- お互いの主義主張をいったん脇に置いて、相手のナラティヴを解釈しようとする動きは起きないのだろうか?
ということ。
ナラティヴについては、宇田川先生の「他者と働く」の中で学んだ概念。
組織の中での話と、国家の政治の話とは次元は異なるが、突き詰めれば人間対人間の話になる、という意味では、この本で主張する「まずは自分から対話に挑んでほしい」というメッセージは傾聴に値するのではないかと思う。
ただ、想像するに、両陣営の支援者の思いは、「自分ではなく、相手に変わってほしい」ということなんだろう。中には自分から対話に挑もうとはする人達もいるに違いない。ただ、あまりにもわかりあえない状況(ナラティヴの溝)が深まっていくとなると、「諦め」の気持ちが強くなり、益々分断を加速させかねない。
この溝をいかに埋めるか、きっと即効性のある手段はないのだろう。
11月には新大統領が決定する。
その後もアメリカに分断のしこりが残ることになるかもしれない。
残ったとしても、アメリカの分断を誰も望んではいないはずだと信じたい。
アメリカを担い立つ子どもたちのためにも、時間はかかると思うが、諦めずに話し合いを重ねっていってもらいたい。(願い)
トランプ候補は、先日の銃撃後に演説原稿の内容を変更し、米国の「団結」を重視する姿勢を打ち出した。
バイデン大統領が選挙戦から撤退し、後継指名されたハリス副大統領がどんなメッセージを発信するのか、今後の動向に注目したい。