50代ITエンジニアの積み上げ日記

50代からの学び直しブログ

【TVメモ】Nスペ混迷の世紀(第14回 パラレル・アメリカ)

今朝、バイデン大統領が米大統領選から撤退を発表するニュースが流れた。

「ついに」と思った。

 

別にここでどちらか一方の陣営に肩入れして、何かを主張しようと思っているわけではない。

ただ、昨日放送されたNHKスペシャルを見て、アメリカの今後のゆくえが気になっている。

www.nhk-ondemand.jp

 

メディア報道の受け取り方はいろいろあると思う。

ここでは、あくまで個人の独断と偏見に基づいて、印象に残ったことを書き残しておく。

 

  • 若者の政治への関心が(日本と比べて)高そうに見えた
    • トランプ候補の義理の娘が応援演説し、それに熱狂する若者がいた
    • 政策議論をしながら、自己の考えを主張していた
    • 異なる候補者を応援しているカップルが描かれていた
  • トランプ候補のメディア戦略が上手に見えた
    • Public SquareというECサイトでなぜ買い物をするのか、理由が描かれていた
      • 信念を主張する自由は認めるが、理念を押し付けられるのはイヤ
      • 押しつけがましい店では物を買いたくない
      • Public Squareがその不満を解消
    • 独自SNSを作り、情報発信している模様が描かれていた
      • 銃撃直後に強いリーダー像を印象づける写真もこのSNSから拡散?
  • 分断の構図が露わになっていた
    • 候補者同士の討論会での露骨なやりとり
      • 相手への敬意や理解しようとする心が感じられない言葉の応酬
    • 支援者同士も激しいぶつかり合い

 

最後の「分断の構図」が一番気がかりなところ。

ここでの自分の問いは、

  • 両陣営をつなぐことのできる思想を持ったリーダー、指導者は現れないのだろうか?
  • お互いの主義主張をいったん脇に置いて、相手のナラティヴを解釈しようとする動きは起きないのだろうか?

ということ。

 

ナラティヴについては、宇田川先生の「他者と働く」の中で学んだ概念。

組織の中での話と、国家の政治の話とは次元は異なるが、突き詰めれば人間対人間の話になる、という意味では、この本で主張する「まずは自分から対話に挑んでほしい」というメッセージは傾聴に値するのではないかと思う。

gajumarusdgs.hatenablog.com

 

ただ、想像するに、両陣営の支援者の思いは、「自分ではなく、相手に変わってほしい」ということなんだろう。中には自分から対話に挑もうとはする人達もいるに違いない。ただ、あまりにもわかりあえない状況(ナラティヴの溝)が深まっていくとなると、「諦め」の気持ちが強くなり、益々分断を加速させかねない。

この溝をいかに埋めるか、きっと即効性のある手段はないのだろう。

 

11月には新大統領が決定する。

その後もアメリカに分断のしこりが残ることになるかもしれない。

残ったとしても、アメリカの分断を誰も望んではいないはずだと信じたい。

アメリカを担い立つ子どもたちのためにも、時間はかかると思うが、諦めずに話し合いを重ねっていってもらいたい。(願い)

 

トランプ候補は、先日の銃撃後に演説原稿の内容を変更し、米国の「団結」を重視する姿勢を打ち出した。

バイデン大統領が選挙戦から撤退し、後継指名されたハリス副大統領がどんなメッセージを発信するのか、今後の動向に注目したい。