人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門
昨年末に図書館で予約した本がようやく借りれたので、読み始めています。
過去ブログを紐解くと、ちょうど昨年末頃にこの本を読んでみたいと思ってたんだなぁと懐かしくふりかえりました。
本のサブタイトルが「人と組織の「課題解決」入門」となっていますが、読んでみた感想として本当にその通りだなと思いました。
言葉の定義や図解も丁寧にされていて、人材開発・組織開発を専門でやっていない人にもわかりやすい工夫が施されています。
著者である中原先生は「はじめに」の中で、森鴎外が「仕事(誰かに仕えること)」という文字を「為事(誰かのために為すこと)」という文字を使っていたことに触れて、次のように書かれています。
わたし(中原先生)にとって、「自分自身の為事」とは、「人材開発・組織開発の知」を「民主化」し、それを実践したいと願う、お一人おひとりに「お届けすること」です。
中原先生の「ひとりでも多くの人材開発・組織開発の実践者を育てたい」という情熱が伝わってくる文章だと感じました。
そして、本書の読者に対して次のような願いを込めた文章も綴っています。
わたし(中原先生)は、本書の読者の皆さんに、人と組織に関するアカデミックな「科学知」を持ちながら、実践的な「臨床知」を発揮し、経営と現場にインパクトを与えることができる「アカデミック・プラクティショナー(高度な科学知に根差しながら、経営・現場に価値貢献できる実践者)」になっていただきたい、と願っています。
この「アカデミック・プラクティショナー」というあり方については、安斎さんのVoicyでも語られていた「野生の思考」に関連する記述もあり、「おっ!」となりました。
こうやって点と点がつながっていくことは楽しいし、面白いですね。
他にも、以前に読んだ「話し合いの作法」という中原先生の著作を下敷きにして解説されている章もあり、Next Stepを求める読者への導線もしっかりできているので、入門書として活用することにも適した本ではないかと感じました。
なかなかページ数にボリュームがある本ですが、引き続き読み進めて、印象に残ったことなど書き残していければと思っています。