荒木さんのVoicyで紹介されていた本です。
放送の中では、盛んに「弱みをさらけ出す」というのがキーワードとして語られていますが、著者の中竹さんにも興味が湧いて読んでみようと思いました。
まさかこんなに面白い本だなんて思いませんでした。
ラグビー日本代表が勝てずに低迷していた時代から、いまに至るまでの躍進の裏には、組織文化を変える戦いがあったことが綴られていました。
試合に負けても「照れ笑い」でごまかす。
これは何もラグビー界に限らず、会社組織にあってもあるあるではないでしょうか。
事業で成果が出なくても、なんかヘラヘラしている経営陣。
なんとなく場を取り繕って、黙して受け入れる社員。
強い組織、勝てる組織になるためには、こうした「負け犬根性」がはびこる組織文化を変えていかなければならない。
本書では、「組織文化が変われば、チームは必ず強くなる」と主張します。
そして、「組織文化とは、極論すると組織メンバーが抱える問いのことである」と言います。
各人がどんな問いを抱えているのか。
それが見えないのがやっかいなところ。
でも、それを知り、変革し、進化・成長させていくことが大事だと説きます。
では、この「知る」「変える」「進化させる」とはいったいどういうことなのか。
そのことについて、本書で詳しく書かれていく、という構成になってます。
あと、この本では「インテグラル理論」「成人発達理論」にも触れられています。
どちらも初めて聞いた理論ですが、この考え方は面白い。
インテグラル理論に基づく組織モデルでは、発達段階が色で表現されます。
ティール組織に至るまでの5つのモデルは以下の通りです。
- レッド(衝動型) - 権力と恐怖に基づく組織
- アンバー(順応型) - 明確なヒエラルキーを持つ組織
- オレンジ(達成型) - 成果を重視し、競争的な組織
- グリーン(多元型) - チームワークと協力を重視する組織
- ティール(進化型) - 自律性と全体性を重視し、メンバーが自己管理を行う組織
面白いのは、組織がどの発達段階にいるかに依って、組織メンバーに響く言葉、成長を促す言葉が違う、ということです。
組織文化を変革するときには、二段階上の言葉では刺さらない。
かと言って、同一レベルの言葉では変革を促せない。
現状より一段上(一歩先)にある組織文化の成熟度を加味した言葉を投げかけることが重要になってくる。
そのためにも、自分たちの組織がどの段階にいるのか、これを知ることがとても大事になってきます。
周りに同調する言葉を発しているだけでは、組織は変わらない、ということです。