前回に引き続き、今回は第2章の内容に触れていきたいと思います。
前回はこちらからどうぞ。↓↓↓
本書の目次は以下の通りとなっています。
【目次】
第1章 組織の厄介な問題は「合理的」に起きている
第2章 ナラティヴの溝を渡るための4つのプロセス
第3章 実践1.総論賛成・各論反対の溝に挑む
第4章 実践2.正論の届かない溝に挑む
第5章 実践3.権力が生み出す溝に挑む
第6章 対話を阻む5つの罠
第7章 ナラティヴの限界の先にあるもの
第2章 ナラティヴの溝を渡るための4つのプロセス
ナラティヴとはなんぞや、と思った方のために、おさらいしておきます。
ナラティヴとは、その語りを生み出す「解釈の枠組み」のことです。
対話の際に、なんか話がかみ合わない、言いたいことが伝わらない、ということがあるかもしれません。
しかし、私とあなたのどちらかのナラティヴが正しいということではなく、それぞれの立場におけるナラティヴがある、ということを第1章では学びました。
そして、この第2章では、ナラティヴの溝を渡る(橋を架ける)ためにはどうすればよいかが示されています。早速、見ていきましょう。
1.準備「溝に気づく」
- 相手と自分のナラティヴに溝があることに気づく
2.観察「溝の向こうを眺める」
- 相手の言動や状況を見聞きし、溝の位置や相手のナラティヴを探る
3.解釈「溝を渡り、橋を設計する」
- 溝を飛び越えて、橋が架けられそうな場所や架け方を探る
4.介入「溝に橋を架ける」
- 実際に行動することで、橋(新しい関係性)を築く
準備→観察→解釈→介入、このプロセスで溝を埋めていく、ということです。
逆に言えば、上手に橋を架けるためには、正しい解釈ができていないとまずい、ということです。
そして、正しい解釈をするためには、正しい観察が行えている必要があります。
また、正しい観察をするためには、ぼーっと眺めていてもしょうがないわけで、どこを重点的に眺めるのか、問題箇所(溝)を認識しないといけません。
つまり、最初の準備段階がすごく重要ってことです。
相手のナラティヴを少し受け入れてみること、ここが出発点になります。
少し受け入れるために、自分のナラティヴを少し脇に置いておいてみる、こういう姿勢が重要になってきます。
まとめ
ナラティヴの溝を渡る(橋を架ける)とは、自分のナラティヴを一度脇に置いて、観察→解釈→介入を地道に回していくこと、と言えます。
そして、様々な観点から見て、対話をすることが有用、かつ、実現性が高い取り組みとなります。
次は実践編の内容を書いていこうと思います。