対話で創る、私たちの未来 ~「公と民が協力して共に未来を創る」が可能になる対話とは、どのようなものなのか?~
今日はこちらのセミナーに参加してきたので、感想を書き残しておこうと思います。
参加動機
セミナータイトルに釣られて、というのが実際のところです。
仕事で公共の方と関わる機会がまずないので、どんな感じなんだろうという興味もあって参加しました。
セミナー概要
参加者は30名弱。主催者の話では、公と民とだいたい半々ぐらいとのこと。
受付の際に、「あなたは○班の席に座ってください」と誘導されて、同じ班の人たちと自然と名刺交換しながら開催を待ちました。
3時間のセミナーでしたが、座学1時間、グループワーク2時間ぐらいの配分。
グループワークは、4名ずつ7班で行いました。
今回のセミナーでは「SOUNDカード」を使った対話を実際に体験する、というのがポイントになっています。
まずは、このSOUNDカードというものがいったいどういうものか、実際にこのカードを使った事例の紹介を聞きます。
その上で、実際に自分たちで実践してみる、という流れで進められました。
SOUNDカードのSOUNDは単純に「音」という意味ではありません。
「想いが響き合う」という意味が込められており、それぞれの頭文字には次の意味をもたせています。
Status:現状認識の共有
Outcome:ビジョンの策定
Understand:課題の深掘り
Negative Check:懸念事項の確認
Drive:具体策の決定
課題解決の流れがそのままS・O・U・N・Dのフェーズにわかれており、それぞれのフェーズ毎に特有の問いが書かれたカードが用意されています。
SOUNDカードの基本セットだと、全部で300枚の問いがあるそうです。
全てのフェーズを実際にやろうとすると3~4時間かかるということで、今回のセミナーでは、SとOのフェーズを実際にカードを使いながら体験しました。
フェーズ毎にカード枚数は異なるようですが、Sフェーズのカードを並べてみると、だいたい50枚はあったかと思います。
SOUNDカードを使った対話のルールは単純です。
①並べられたカードをみんなで眺めながら、「自分はこの問いについて話したいなぁ」と思うカードをチョイスする。
②各自がチョイスしたカードの問いを読み上げて、その問いに答える。
③グループメンバー全員が話し終わったら、感想戦をする。
たったこれだけです。
普通の対話では問いを発するのは他者であり、自分はその問いに答えることで対話が成立します。
しかし、このSOUNDカードを使った対話の場合は、その立場が変わります。
他者ではなく、自分の側に問いを選ぶ権利がある、というのが大きな特徴になっています。
SOUNDカードについて気になる方は、下記サイトに詳しい紹介がありますので、チェックしてみてください。
感想
SOUNDカードを使った対話、実際にやってみると、どのカードを選ぼうか結構迷いました。(主催者の話だと、結構そういう人はいるようです)
問いの選択に迷い、どうにかこうにか話ができたことにホッとして、肝心の他者の話を集中して聞けていない状況もありました。
この辺りは慣れれば解消できそうな気がしました。
一番すごいなぁと思ったのは、Oフェーズ(ビジョンの策定)でやったビジョンの言語化。いわゆる、パーパスと言われるものを作る、というものです。
と言いつつ、パーパスをいきなり作るのは大変なので、次のような型が用意されていて、空欄部分を埋めましょう、というのがお題でした。
「私たちは、○○で△△な□□という(になっている)公民共創の未来の実現を目指して取り組みます」
制限時間は50分。
Oフェーズでは、誰か他の人が話をしているのをただ聞いているだけでなく、その人の話から自分がインスパイアされた言葉を付箋に書き出すというタスクが新たに加わります。
そして、その付箋に書き出した言葉を寄せ合いながら、最終的にパーパスを完成させていきました。
私たちの班が作ったパーパスはこちら。
セミナーの締めとして、各班の作ったパーパスを読み上げたのですが、それぞれ個性がある内容で、その違いが面白かったです。
どれが正解というわけではなく、それぞれの班がビジョンを共有しながら課題を解決していくことができれば、その班にとっては正解、ということになるんだと思います。
SOUNDカードの力を借りて、こんなに短時間でここまでの言語化ができるんだ、という体験ができて、とても満足しています。
いろんな方と名刺交換させていただきましたが、情報感度の高い公の方々のお話に大いに刺激をもらいました。
これまで公に対して勝手に抱いてきたイメージ(お役所仕事、閉鎖的、縦割り、予算に厳しい、ビジネスとしてうまみがない等)を変えるきっかけになりました。
今日の出会いに感謝したいと思います。
本当にありがとうございました!