読もうと思ったきっかけ
こちらの記事を読んで、「面白そうだな」と思ったのがきっかけです。
まだ読み始めたばかりですが、言語化できずにモヤモヤしていた思いをスッキリさせてくれる本、というのが率直な印象です。
まずは、目次から概観しておこうと思います。
序章 心理学的経営とは
第1章 モティベーション・マネジメント
第2章 小集団と人間関係
第3章 組織の活性化
第4章 リーダーシップと管理能力
第5章 適性と人事
第6章 個性化を求めて
序章 心理学的経営とは
著者の大沢武志さんはリクルートの創業世代の一人です。
東京大学在学中から産業心理学を学び、学会でも発表されていたようです。
そんな著者が定義する心理学的経営とは、経営リアリズムであり、人間を人間としてあるがままにとらえるという現実認識が出発点になっています。
抜粋ですが、次のような文章にも、その考えがよく表れているなぁと感じます。
人間を見る眼が本当にリアリズムに徹していますね。
そもそも人間の行動は、このいわばノイズとしてのムダな情緒や感情を基底にもつところにその本質がある。効率性と合理性を優先させる組織論は、人間存在の一方の重要な側面を無視している。
一人の人間をとらえても、自分のなかに高い目標に挑戦し、困難な課題にも積極的にとりくむ意欲溢れるときがあるかと思えば、一方ではできる限り煩わしいことは避けて、楽をしようとする明らかに怠け者の自分を見出すこともできるはずである。状況によって、相手によって、あるいは気分によって、いずれかの自分が顔を出し、もう一方の自分がかくれているというのが現実であろう。
この序章の最後は次の一文で締めくくられています。
企業における働く人々の自己実現、そして豊かな人生の実現自体が心理学的経営のゴールなのだが、それは一筋縄では解決に至らない究極、永遠のテーマであることも認識しなければならないだろう。
リクルートで実績を残されてきた方の言葉だけに、重みがありますね。
各章の内容もよく味わいながら、この連休中に読み進めたいと思います。