がじゅまるの苗🌱です。
50代金融基幹系エンジニアとして、これまでオンプレ一色の現場で20数年システム開発に従事しています。
昨年からクラウド(AWS)を触り出したばかりで、Google Cloudに関しての知見は全くないド素人です。
参加動機
そんな私が今回のGoogle Cloud金融サミットに参加してみようと思ったのは、
- Jagu'e'r金融分科会にものすごく関心があったこと
- 金融業界にGoogle Cloudがどのように関わっていこうとしているのか知りたかったこと
大きくこの2点の動機から参加してみようと思いました。
参加した印象をまず最初に書いておくと、
期待を超える満足度でした。
渋谷のGoogle新オフィス で開催された今回のイベントについて、簡単な所感をまじえて書き残しておこうと思います。
まずは、開幕前のツイートからご紹介します。
(たくさんの「いいね」をいただき、ありがとうございます!)
まもなくGoogle Cloud 金融サミット開幕します!#gc_finance pic.twitter.com/q6a51iRkmd
— がじゅまるの苗🌱 (@GajumaruSDGs) 2023年3月2日
以下、本日の各セッション内容のふりかえりです。
オープニング・ご挨拶
Google Cloud フィナンシャルサービス事業本部
執行役員 事業本部長 綱田 和功 氏
- Google Cloudとして金融関連のイベントは初めて
- 当初100名規模を想定したが、すぐいっぱいに
- 最終的には会場定員Maxの250名を超える応募があった
Keynote:グローバル金融機関におけるイノベーションの動向と 2023 年の Google Cloud ソリューション
Google Cloud Zac Maufe 氏
- 「データ」というキーワードが印象に残ったセッション
- 新たなデータが爆発的に生成されつつある
- データは増えたが、そこからビジネスに有効なインサイトを得られていない
- 金融機関がデータの課題を解決するためにGoogle Cloudを選択
SBI グループにおけるグループ横断的なデジタルマーケティング基盤の構築
SBIホールディングス株式会社 佐藤 市雄 氏、谷岡 直登 氏
- 強者感が漂う「社長室ビッグデータ担当」というネーミングがカッコよかった
- 現在、データサイエンティストが17名!そんなにいるのかと衝撃を受けた
- CoE組織の設立が2012年で、設立当初は2名からのスタート
- 戦略的、継続的、組織的に動くことが重要
- グループ横断的な意思決定、最適化、ノウハウの拡散
- 持ち株会社側だけでなく、事業会社側にもCoE組織を設立し、知見やリソースをTransfer
- タグの一括管理や計測内容の統合を土台として、データ活用の民主化を進めている
- 今後はデータの一元管理を進めつつ、より顧客に沿ったマーケティング施策の実行を目指す
みんなの銀行を 2 年間運転して CIO 目線の思うところ
株式会社みんなの銀行 ゼロバンク・デザインファクトリー株式会社 宮本 昌明 氏
- 銀行関係者なら誰もが知りたいと思っている以下の4つの視点に対して、ストレートに答える稀有なセッションだった!(個人的に一番刺さった)
- 1.勘定系をクラウドにおいてみてどうか
- 2.マイクロサービスアーキテクチャで勘定系を作ってみてどうか
- そもそもの狙いは、マイクロサービス単位でのソースの切り売り
- プロダクト改善のしやすさ、局所スケールアウト、設計のしやすさ、アラート調査の観点で評価
- マイクロサービス跨ぎの処理に注意が必要。設計難易度高。慣れが必要
- エラーメッセージをわかりやすくする、トレース可能なログを残す、といった工夫が必要
- 3.内製化を目指してみてどうか
- まだまだ人財は足りてない(不足分はパートナーに頼っている状態)
- 目指すべき組織像は攻めた守り(守るもの=セキュリティ、品質、運用保守)
- 4.BaaSの今後についてどう考えているか
- BaaSは3方良しのアイデア
- ライトに早く作って、フィードバックを得る(ライトに作って改善する)
- 最初から100点を求めないことを提携先にも理解してもらう
クラウドネイティブへ挑む、損保ジャパンの歩み
SOMPOシステムズ株式会社 中津 武典 氏
今、金融機関で多い相談上位 5 つの課題とその解決策
Google Cloud 猪原 茂和 氏
- データサイロからの脱却がテーマ
- なぜGoogle Cloudが選ばれているのか
- 金融機関のお客様からいただく5つのご相談
- Data Silos:複数環境にまたがるデータ基盤に関するもの
- Speed of Delivery:アプリケーションとインフラのモダナイゼーションに関するもの
- 10 years ahead:お客様中心、AI組み込みサービスに関するもの
- Work Culture:制約のない社内外コラボレーションに関するもの
- Sustinability:ITのグリーン化、金融アクティビティのグリーン化に関するもの
- 上記5つの中でもData Silosに関して、データのアーキテクチャを早い段階でなんとかしないと、他の相談内容の解決に影響が出る
- Google Cloudで解くデータサイロからの脱却
- データの蓄積だけでなく、データ活用に必要な機能を備える
⇒ BigQuery、BigQuery ML、Vertex AI等 - 複数環境(オンプレ、クラウドA、クラウドB…)のデータをコピーせず取り扱える
⇒ BigLake、BigQuery Omni、Looker等 - データのアクセス権限の管理が上手に行える
⇒ Dataplex等 - データマネジメントに対する投資をリーズナブルに抑えつつ、データガバナンスをかけることができる
⇒ Dataplex等 - データビジネスの基盤としての機能を担える
⇒ Analytics Hub等 - 外部の提携企業との協業のための制御されたデータ連携
⇒ Confidential Space等
- データの蓄積だけでなく、データ活用に必要な機能を備える
公式ユーザー会 Jagu'e'r 金融分科会のご案内
一般社団法人日本クラウドセキュリティアライアンス 渥美 俊英 氏
シンプレクス株式会社 河越 光 氏
株式会社みんなの銀行 執行役員 CIO ゼロバンク・デザインファクトリー株式会社 宮本 昌明 氏
SOMPOホールディングス株式会社 土屋 敏行 氏
Google Cloud 黒須 義一 氏
- Jagu'e'r 参加企業数489社、参加者2,100+
- 主な分科会が24もある!中でも金融分科会は大所帯(参加人数規模で6番目に大きい)
- 過去6回のMeet Upふりかえり(毎回運営側で練られているのが伝わってきた)
- 次回第7回は新春オープンMeet Upと題して、Jagu'e'r非会員も参加可能な方向で検討中(4月末または5月初旬開催予定。これは嬉しい!)
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
セッション内容以外でも、受付から会場までのGoogle社員によるアテンドや、休憩中の軽食サービス、最後のお土産(Google印の入ったお饅頭。美味しくいただきました!)と、イベント全体を通してGoogle社のおもてなし精神に大変感服しました。
運営の皆様、そして登壇者の皆様、本当にありがとうございました。
今回初めてこのような参加レポートをブログに書いてみましたが、どなたかのお役に立てれば幸いです。