50代ITエンジニアの積み上げ日記

50代からの学び直しブログ

【読書メモ】クリティカルビジネスパラダイム

昨日の安斎さんのVoicyで紹介されていた本。

面白そうだなと手に取ってみました。

voicy.jp

 

https://amzn.asia/d/aipbfuN

 

これまでそういう視点では見ていなかったなぁという切り口で書かれているのが新鮮でした。

例えば、「はじめに」ではこんな文章があります。

 

ここ数年、世界中で盛り上がりを見せている「パーパス」に関する議論も、この「このビジネスに社会的意義はあるのか?」という、素朴だけれども本質的な質問に対して答えることのできなかった人々が引き起こした一種のパニック反応だと考えることもできるでしょう。

 

「パニック反応」という言葉のインパクトが大きすぎるので、違和感を持つ人もいるかもしれませんが、立てられた本質的な問いにモヤモヤした思いを抱えていた人にとっては「そうだ、自分が求めていたのはこれだ!」と共感を覚えた大勢の人がいたことでブームが巻き起こった、というのは間違いないのではないかと思います。

 

本書では、こうした動きを一定の目標や価値観を共有する人々が組織的に行う「社会運動」として捉えている点がユニークで、面白いです。

 

もう一つ面白いと思ったのは、デザイン思考に対する批判的考察です。

こんな文章が綴られています。

 

デザイン思考は方法論として、最初のステップに「現場にいってユーザーの抱える問題や課題を実体験する」ことを提唱していますが、このアプローチを採用する限り、把握できるのはユーザー体験に内在する既存の問題だけで、新しい問題を認知的に生成することは原理的にできません。(中略)デザイン思考がさしたるインパクトを残すことができなかったのは構造的な原因がある、ということです。

 

この文章を読んで、ヘンリーフォードの「速い馬」の話を思い出しました。

「顧客は常に正しい」という見方と、「顧客は本当に欲しいものを知らない」という見方の二項対立については、こちらの細谷さんの記事が面白いです。

dze.ro

 

ちなみに、デザイン思考については、こちらの記事がわかりやすかったので、リンクを貼っておきます。

stockmark.co.jp

 

本書の内容はまだつまみ食いしかできていませんが、ぼちぼち読み進めていこうと思ってます。